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物語・小さな天使の物語

第2章 愛の天使ローズ

 

太陽の包み込むような暖かさが溢れ柔らかい風が駆け抜ける妖精界、そんな妖精界の花畑に小さな影が一つの花に駆け寄ります。
「親指姫~何時まで寝ているの~遊びに行こうよぉ~」
そう叫ぶのは、親指姫と仲良しのオカメインコのペローは、親指姫の眠る花の上空を旋回するのだった。
一方親指姫の方はと、「うん・・・」と小さく頷き一度は薄目を開くが、太陽の包み込む暖かさに誘われまた「すぅすぅ」と寝息を立て始めそれを見たななちゃんは、呆れ顔で「姫様~」と嘆くのだった。
そこから少しはなれた所に少し大きな影が花畑に舞い降ります。
「いい香り・・・今日も皆元気だね♪」
そう言いながら目を閉じ長く金色に透き通る髪を風に靡かせながら、風の言葉に耳を傾けるのは見習い守護天子のラピス。
しばらく風の言葉に傾けていると、近くで自分を呼んでいる声に気づき振り返ります。
少し離れた所で手を振りラピスを呼んでいるのは、お友達のフィア。
彼女は仲良しのお友達に花の冠を作ってあげている所の様です。
ラピスは、ふわっと空に舞い上がったかと思うと直ぐに友達の隣に舞い降りると、ちょっと前に一つ目の花の冠が完成したらしくウサギ耳を持つ少女が満面の笑みを浮かべています。
「良かったですね、とても似合っていますよ」とラピスが言うと大きく頷いてみせると、無邪気に花畑を駆け回り始めました。
「あんまり走ると危ないですよ・・・」そう言いながら、駈け寄り静止するラピスの手を擦り抜けると、そのまま2人で追いかけっこに突入するのでした。
そこからまた少し離れた森では、赤ずきんちゃん達が楽しくお茶会の真っ最中♪
今日もいつもの様にこんなやり取りが・・・
「・・・食べていい?」
「良いわけ無いじゃん・・・てか、コレ私のだから・・・」
こんな感じに繰り返されます。
そんな平和な時間の流れる妖精界に、突然悲鳴と同時に爆音が!!
「いやー!!!!!」+「どご~ん!!!!!」
妖精界中に響き渡るかの様な悲鳴と爆音の発生源は、天使協会。
白煙の中から一つの影が駆け抜けて行きます。
そんな姿を確認しつつ、爆発でボロボロになった部屋とその巻き添えを食らった他の天使達を横目に見ながら「ローズちゃん・・・新型インフルエンザの予防接種を受けずに逃げちゃいましたね」
「やれやれ・・・これから後片付けが大変です・・・」
そう笑いながら片付けをはじめた天使は、癒し天使課担当・ラファエルだった。
さっきの爆発音を聞きつけ「一体今の爆音は、何の騒ぎだい?」そう言いながら慌てて駆けつけた天使は、恋愛天使課担当・ハジエル。
「いゃ~ローズちゃん今日も元気でして・・・」
それを聞いた途端にハジエルは、参ったなぁと表情をしながら「あちゃ~あの子またやっちゃかい?済まないねぇ~いつも私の部下が・・・」
「いえいえ、元気なのは良い事ですよ」
「しかしなぁ~もう少し力の制御をだなぁ~」と不満顔のハジエル。
「あははは、仕方ないですよローズちゃんは他の見習いの天使達より能力が高いのですから・・・」
「それよりハジエルさん、片付けのお手伝いをお願いしたいのですが・・・」
「・・・・・・・」
何も返事が無いので不思議に思いハジエルのいる筈の方を振り返ると、そこには既にハジエルの影も姿も消えていた。
「・・・・・・」
「やれやれ、逃げ足が早いお人だ」
「どおやら、もうしばらくの間、私一人で片付ける事になりそうですねぇ~」
「でも、それでは流石に大変ですねで・・・」
そう言うと近くで、のびている天使の介抱を始めるのだった。
一方逃げ出したローズはと言うと、光の鍵を使い人間界に逃げていました。

 

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